親族が亡くなってからの段取りや手続き(相続申請まで気が抜けない)!

相続の手続き Jul 06, 2024
 
相続手続きは複雑です。
やらなければならないことがとても多く、書類もたくさん集めなければなりません。
 
しかも期限が設定されているものがほとんどなので、注意が必要です。
知らずに期限を過ぎるとできなくなってしまう手続きもありますし、ペナルティーが科される可能性もあります。  
 
今回は、相続において必要な手続きを時系列でまとめました。
相続人の立場になり、これから各種の手続きを進めていかなければならない方は参考にしてください。  

   

 相続放棄をする場合

遺産を相続したくない場合は「相続放棄」しなければなりません。

資産は相続したいけれど負債は相続したくない場合「限定承認」をすればマイナスの相続を避けられます。

限定承認とは、相続によって得たプラスの財産を限度として、マイナスの財産も引き継ぐことをいいます。
まずプラスの財産を確定させるので、マイナスの財産のほうが少なければ手元に遺産が残ります。
マイナスの財産のほうが多い場合は、プラスの財産を限度としてマイナスの財産を相続するので、プラスマイナスゼロになる、というわけです。
 
 

これらの手続きをするには、相続開始後3カ月以内に家庭裁判所で「相続放棄(限定承認)の申述」をしなければなりません。

3カ月を過ぎると借金を相続せざるを得なくなる可能性があるので、できるだけ早めに手続きをしましょう。

限定承認の場合、相続人が全員揃って手続きしないといけないので、相続放棄より手間がかかります。

早めに準備して協力しながら家庭裁判所へ申述書と必要書類を提出してください。  

 

 

 

相続人の立場になったら、早めに遺言書の有無を確認しましょう。

遺言書があると遺言内容に従って遺産相続する必要があるからです。

自筆証書遺言なら自宅で保管されているか法務局に預けられているケースが多数です。

公正証書遺言は公証役場で保管されているので、検索して調べてみてください。

自筆証書遺言や秘密証書遺言が見つかったら、家庭裁判所で検認を受けましょう。

検認に期限はありませんが、検認を受けずに遺言書を開封するのは違法です。  

 

 

 

遺産分割協議に備えて相続人調査と相続財産調査をしましょう。

相続人調査の際には、「被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(除籍謄本・改製原戸籍謄本)」と「相続人全員の現在の戸籍謄本」を取得する必要があります。

また、金融機関への提出等で「原戸籍」が必要となる場合があるため、一緒に取得しておきましょう。

原戸籍は古い戸籍なのですが、原戸籍にしか記載がない事項があるため、相続手続きでは原戸籍謄本が必要になります。
現在の戸籍と異なり、改製される前に除籍した人や認知した子、養子縁組、離婚などに関する事項が含まれており、相続手続きではかならず必要になります。

【原戸籍は、以下の調査で必要となる】

  • 相続人の確定
  • 不動産所有権移転登記(相続登記)
  • 銀行預金口座の名義変更または解約
  • 有価証券(株式)の名義変更

財産を把握するには、金融機関へ問い合わせて「残高証明書」を取得したり証券会社へ取引内容を照会したり、不動産・車などの各種資料を集めたりする地道な作業が必要です。

相続人調査、相続財産調査に期限はありませんが、これらが終わらないと遺産分割協議を始められません。相続放棄するかどうかの判断にもかかわるので、早めに調べましょう。  

 

   

 

被相続人が事業を営んでいた場合などには、相続人が「準確定申告」をしなければなりません。

準確定申告とは、相続人が被相続人に代わって行う確定申告です。

 

下記の場合、準確定申告をする必要があります。

  • 被相続人が事業者であった
  • 被相続人が2000万円を超える給与所得者であった
  • 医療費の還付などを受けたい

準確定申告の期限は「相続開始を知ってから4カ月以内」なので、急ぎましょう。遅れると延滞税が加算される可能性もあります。

事業に関する資料などを参照して確定申告書を作成し、税務署へ提出すれば手続きが完了します。  

 
 
 

   

遺産の額が基礎控除を超えていれば、相続税の申告と納税をしなければなりません。

 

申告も納税も「相続開始後10カ月以内」が期限です。 過ぎると延滞税がかかったり税務署から督促されたりするので、遅れないようにしましょう。

相続税の申告納税は、遺産分割協議が済んでいなくても行う必要があります。

その場合、とりあえず「法定相続分」によって申告を済ませ、後に遺産分割協議ができたときに「更正請求」を行って払いすぎた分の還付を受けたり、修正申告して不足分を支払ったりします。  

 

 

 

遺産分割協議には期限がありません。

ただし相続税の申告と納税の期限もあるので、できるだけ相続開始後10カ月以内に終えるのが良いでしょう。

相続人が話し合って合意できたら遺産分割協議書を作成する必要があります。

遺産分割協議書ができあがったら、それを使って不動産や株式の名義変更、預貯金の払い戻しなどの手続きを進めてください。  

 
 

   

不公平な遺言書がのこされていたり贈与が行われたりして相続人の「遺留分」を侵害されたら、侵害された相続人は「遺留分侵害額請求」によってお金を取り戻せます。

遺留分侵害額請求は「相続開始と遺留分侵害の事実を知ってから1年以内」に行わなければなりません。

不公平な遺言書や生前贈与の事実を知り、遺留分を返還してほしいなら早めに対応しましょう。

請求時には「内容証明郵便」で「遺留分侵害額請求書」を作成して遺留分の侵害者(遺贈や贈与を受けた人)へ送付しましょう。  

 
 
 

   

被相続人が生命保険に加入していた場合、残された人は死亡保険金を受け取れる可能性があります。

死亡保険金の請求期限は「死亡後3年以内」となっていて、期限を過ぎると高額な保険金であっても一切受け取れなくなります。

被保険者が死亡したら、早めに生命保険会社へ連絡を入れて保険金の請求をしましょう。  

 
 
 

   

まとめ

家族がお亡くなりになると非常に悲しいものです。 しかし、いつ迄も悲しんでばかりも居られません。

お亡くなりになった人の冥福を祈りながら、残して頂いた財産をしっかり守っていかなければなりません。

遺産の洗い出し、遺産分割協議等を進めていくために、この記事が参考になれば幸いです。

 

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